月別アーカイブ: 2025年8月

三重板金工業のよもやま話~“屋根板金リフォーム”~

皆さんこんにちは。

三重板金工業の更新担当の中西です。

 

~“屋根板金リフォーム”~

屋根リフォームは、症状の原因特定がすべて。原因を外さなければ、

  1. カバー工法(重ね張り) 2) 葺き替え 3) 部分補修 の最適解が見えてきます。ここでは実務の進め方を丸ごと公開します。


1|よくある症状と“考えうる原因”

  • 天井シミ/雨音増加 → 下葺き劣化・継手不良・通気不足

  • 棟包みの飛散・浮き → 固定不足・下地腐朽・強風影響

  • 谷からの滲み → 谷板金の幅不足・立上り不良・落葉詰まり

  • サビ・白錆・チョーキング → 表面処理劣化・沿岸環境・異種接触

  • 夏の暑さ・冬の結露 → 断熱・通気計画の不整合


2|診断は“見える化”が命 ️

  • ドローン全景+ズームで危険箇所を安全に確認。

  • 赤外線/含水計で漏水疑いを定量化。

  • 小屋裏点検結露跡・通気ルートを確認。
    写真付きレポートで「原因→対策→費用」を透明に。


3|工法の選び方

  • カバー工法:既存に防水層・通気層を足して金属屋根を重ねる。
     ・メリット:工期短縮・廃材少・住みながら可。
     ・適用外:下地腐朽・形状複雑・漏水原因が構造に及ぶ場合。

  • 葺き替え:既存撤去→下地補修+新規下葺+新規板金
     ・メリット:根治性最高。断熱・通気を再設計できる。

  • 部分補修谷・棟・けらば・一部パネルなど要所を更新。
     ・メリット:費用抑制/スピード◎。原因が局所なら有効。


4|標準工程と工期(30坪切妻・一例)⏱️

  1. 足場・養生(1日)

  2. 既存撤去 or カバー下地調整(1–2日)

  3. 下葺・役物先行(1日)

  4. 本体葺き(2–3日)

  5. 棟・けらば・谷仕上げ(1–2日)

  6. 清掃・最終検査・写真台帳(半日)
    ※天候で変動。風雨日は安全最優先で中止


5|品質“見える化”チェックリスト ✅

  • 下葺き重ね寸法・立上りを写真で記録

  • 端部ビスピッチ/ビス座りの実測値

  • 乾式棟の固定トルク・通気連続

  • 谷板金の幅・水上立上り

  • 完成全景・役物ディテールの台帳化(データ納品


6|見積り比較のコツ

  • 板厚・塗装グレード・下葺材を揃えて比較(リンゴとリンゴ)。

  • **役物数量(棟・けらば・谷・雨押え)**を内訳明記。

  • 足場・養生・廃材処分・運搬・諸経費は“別途”にしない。

  • **保証条件(材料/施工/通気断熱の前提)**を文章で確認。


7|安全・近隣配慮

  • 高所は二丁掛け+親綱、開口養生を先行。

  • 風速基準で作業可否(例:平均10m/sで荷揚げ停止)。

  • 近隣へ工期・作業時間・騒音日を事前配布。清掃徹底で好印象。


8|“30日で変える”屋根リフォームの進め方 ️

  • Day1–7:現地診断(ドローン・小屋裏)→写真レポート&工法提案

  • Day8–14:素材決定(SGL/ステン等)・色・役物図の合意

  • Day15–21:足場→下葺→本体葺き→役物

  • Day22–30:検査→写真台帳・保証書お渡し→年1点検のご案内


9|Q&A よくあるご質問

Q. カバー工法は重くなりませんか?
A. 金属屋根は軽量。構造確認の上、基準内で収まるケースが大半です。
Q. 雨音が心配です。
A. 通気層+吸音材で改善可能。既存構成に合わせ設計します。
Q. 台風に強くできますか?
A. 端部ピッチ増し・乾式棟・谷幅増し・下地補強で大きく向上します。


まとめ ✨

屋根板金のリフォームは、原因の特定→最適工法→品質の見える化で“失敗しない”。
私たちは診断から台帳納品・年次点検まで伴走します。
まずは無料の屋根ドックから。あなたの家を、静かで強く、長くもつ屋根へ。✨

 

 

三重板金工業のよもやま話~“雨を入れない・熱を溜めない・風で飛ばさない”~

皆さんこんにちは。

三重板金工業の更新担当の中西です。

 

~“雨を入れない・熱を溜めない・風で飛ばさない”~

 

屋根板金は、金属×ディテールで建物を守る仕事。性能の肝は、

  1. 雨仕舞い 2) 通気・断熱 3) 耐風・耐久 の三本柱です。
    ここでは新築・改修どちらにも役立つ設計〜施工〜点検の実務をまとめました。


1|材料の選び方:立地と用途で決める

  • ガルバリウム鋼板(SGL含む):軽量・コスパ◎。住宅〜店舗の定番。

  • ステンレス:沿岸・工場地帯など腐食雰囲気に強い。

  • アルミ:軽くて錆びにくい。大型庇・曲面に有利。

  • 銅/チタン亜鉛:経年で味わい(緑青・グレー)。社寺・意匠重視に。

指針:地域(風・雪・塩)×勾配×意匠×コスト×メンテ計画で最適化。


2|葺き方の適所と注意点

  • 立平葺き・嵌合立平:長尺対応、緩勾配も可。**熱伸び逃げ(スライド金具)**必須。

  • 横葺き・段葺き:意匠性◎。継手・ハゼ部の止水が生命線。

  • 瓦棒(吊子):下地追従性が高い。吊子ピッチと固定に注意。

  • 一文字葺き:端正な納まり。役物(見切り)精度が仕上がりを決める。

勾配が緩いほど下葺き・通気・継手性能のレベルを上げるのが鉄則。


3|雨仕舞いの“勝ちパターン” ️

  • 下葺き(ルーフィング):重ね方向・寸法・立上りを図で統一。谷・軒・壁際は増し張り

  • 軒先水返し+防鳥。落雪・強風面はビスピッチ短縮

  • けらば:巻き込み風対策にハネ出し・止水ラインの連続

  • 幅広ステン/ガルバ谷板金+水上立上りで余裕を持たせる。

  • :**乾式棟(棟金物+芯材+通気)**で耐久&結露対策。

仕上げ前に写真検査(ビス座り/端部処理/下葺き連続性)→台帳化


4|“熱と音”を板金で整える ️

  • 通気層:軒→棟へ空気を流す連続通気で小屋裏温度を抑制。

  • 断熱:外張り/天井断熱の組合せ図を事前合意。遮熱下葺材も有効。

  • 雨音対策通気層+吸音材二重下地で快適性を底上げ。


5|耐風・耐久の設計 ️

  • 全数固定:端部(軒・けらば・棟際)はピッチを詰める特別仕様。

  • ビス選定防錆ねじ適正長さ。座金・パッキンの品質確保。

  • 異種金属接触:銅×アルミ等は絶縁ライナーで電食を防ぐ。

  • 雪止め:地域基準で配置、下地補強を忘れずに。


6|太陽光と“ケンカしない”屋根 ☀️

  • ハゼ掴み金具など貫通しない固定を優先。

  • 配線ルート・点検歩廊・アース屋根計画と同時設計

  • パネル周囲の通気・雨仕舞いを崩さないディテールに。


7|10分セルフチェック ✅

[ ] 雨後の天井シミ/サッシ上の染み
[ ] 棟包みの浮き・波打ち
[ ] 谷板金の錆・ピンホール・落葉詰まり
[ ] 樋のオーバーフロー跡
[ ] 強風後のパネル・板金の浮き

→ 1つでも該当なら専門点検へ。高所は無理しないでください。


まとめ ✨

屋根板金の価値は、雨仕舞い×通気断熱×耐風耐久の“同時達成”。
現地診断→図面化→施工→写真台帳→年次点検まで一気通貫でサポートします。
「静かで涼しい・強い屋根」を、一緒につくりましょう。