皆さんこんにちは。
三重板金工業の更新担当の中西です。
~“雨を入れない・熱を溜めない・風で飛ばさない”~
屋根板金は、金属×ディテールで建物を守る仕事。性能の肝は、
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雨仕舞い 2) 通気・断熱 3) 耐風・耐久 の三本柱です。
ここでは新築・改修どちらにも役立つ設計〜施工〜点検の実務をまとめました。
目次
1|材料の選び方:立地と用途で決める
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ガルバリウム鋼板(SGL含む):軽量・コスパ◎。住宅〜店舗の定番。
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ステンレス:沿岸・工場地帯など腐食雰囲気に強い。
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アルミ:軽くて錆びにくい。大型庇・曲面に有利。
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銅/チタン亜鉛:経年で味わい(緑青・グレー)。社寺・意匠重視に。
指針:地域(風・雪・塩)×勾配×意匠×コスト×メンテ計画で最適化。
2|葺き方の適所と注意点
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立平葺き・嵌合立平:長尺対応、緩勾配も可。**熱伸び逃げ(スライド金具)**必須。
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横葺き・段葺き:意匠性◎。継手・ハゼ部の止水が生命線。
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瓦棒(吊子):下地追従性が高い。吊子ピッチと固定に注意。
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一文字葺き:端正な納まり。役物(見切り)精度が仕上がりを決める。
勾配が緩いほど下葺き・通気・継手性能のレベルを上げるのが鉄則。
3|雨仕舞いの“勝ちパターン” ️
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下葺き(ルーフィング):重ね方向・寸法・立上りを図で統一。谷・軒・壁際は増し張り。
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軒先:水返し+防鳥。落雪・強風面はビスピッチ短縮。
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けらば:巻き込み風対策にハネ出し・止水ラインの連続。
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谷:幅広ステン/ガルバ谷板金+水上立上りで余裕を持たせる。
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棟:**乾式棟(棟金物+芯材+通気)**で耐久&結露対策。
仕上げ前に写真検査(ビス座り/端部処理/下葺き連続性)→台帳化。
4|“熱と音”を板金で整える ️
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通気層:軒→棟へ空気を流す連続通気で小屋裏温度を抑制。
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断熱:外張り/天井断熱の組合せ図を事前合意。遮熱下葺材も有効。
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雨音対策:通気層+吸音材や二重下地で快適性を底上げ。
5|耐風・耐久の設計 ️
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全数固定:端部(軒・けらば・棟際)はピッチを詰める特別仕様。
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ビス選定:防錆ねじ&適正長さ。座金・パッキンの品質確保。
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異種金属接触:銅×アルミ等は絶縁ライナーで電食を防ぐ。
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雪止め:地域基準で配置、下地補強を忘れずに。
6|太陽光と“ケンカしない”屋根 ☀️
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ハゼ掴み金具など貫通しない固定を優先。
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配線ルート・点検歩廊・アースを屋根計画と同時設計。
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パネル周囲の通気・雨仕舞いを崩さないディテールに。
7|10分セルフチェック ✅
[ ] 雨後の天井シミ/サッシ上の染み
[ ] 棟包みの浮き・波打ち
[ ] 谷板金の錆・ピンホール・落葉詰まり
[ ] 樋のオーバーフロー跡
[ ] 強風後のパネル・板金の浮き
→ 1つでも該当なら専門点検へ。高所は無理しないでください。
まとめ ✨
屋根板金の価値は、雨仕舞い×通気断熱×耐風耐久の“同時達成”。
現地診断→図面化→施工→写真台帳→年次点検まで一気通貫でサポートします。
「静かで涼しい・強い屋根」を、一緒につくりましょう。